やっかいなフローリングのでこぼこ、どう対処する?
<この記事のポイント>
・フローリングがでこぼこする原因がわかる
・フローリングのでこぼこを防ぐ方法がわかる
・でこぼこしないフローリング素材がわかる
更新日:2023/11/12
初稿:2022/12/15
<目次>
・フローリングがでこぼこする理由は?
・フローリングのでこぼこに対する対処法とは?
・でこぼこ床の張り替え、どんな方法がベスト?
・床のトラブル、必要なら適切な補修を
フローリングがでこぼこする理由は?
フローリングの素材として用いられている代表的なものには、「クッションフロア」や「フロアタイル」、「無垢フローリング」「複合フローリング」「シートタイプ」などがあります。このうちクッションフロアやフロアタイルは、塩化ビニル樹脂製の素材で遮音性や衝撃吸収に効果がありますが、クッションフロアなどは見た目が安価に感じやすく、他の床材と比較しても劣化が早いとされています。しかし、掃除やよごれの落としやすさなどの面から、浴室やキッチンでの使用頻度が高いです。シートタイプは樹脂などに木目をプリントし、基材にMDF(中密度繊維板)と呼ばれる木材加工を挟み込んで木の質感を持たせたもので、反りや歪みを生じさせないのが特徴です。一般的に住宅のリビングなどに用いられるフローリング材といえば、無垢フローリングと複合フローリングです。
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無垢フローリング
無垢フローリングというのは、一本の木から切り出した混じりけのない天然木を指し、自然の木目の風合いが高級感を漂わせる重厚な素材です。表面にある空隙が調湿作用を持ち、一年を通してサラッとした肌触りを感じさせてくれる効果がありますが、その調湿作用があるために、水分を過剰に吸い込んだ場合には素材に反りや波打ちを生じさせてしまうこともあります。
複合フローリング
複合フローリングとは、天然木材ではなく複数の木材を貼り合わせた人工素材です。複合フローリングはさらに挽き板タイプと突き板タイプ、シートタイプに分かれます。挽き板タイプは、天然木を挽いて合板に厚く貼り付けたもので、性質は最も天然木に近いものです。
突き板タイプは、挽いた天然木を合板に薄く貼り付けたもので、反りや歪みは挽き板タイプよりも少なくて済みます。
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無垢フローリングや複合フローリングに共通する自然素材を使用したフローリングは、温度や湿度の状態によって反りや歪みが生じやすい面があります。しかし、その半面、湿気や温度調節を行ってくれるといった自然の調湿効果も持ち併せています。このように木本来の特性によって呼吸をするため、月日が経つにつれ、表面に凸凹が生じてしまう場合があります。
他にも、フローリングの表面がでこぼこする理由としては、この「素材そのものが持つ性質によるもの」以外にも、「外的な要因によるもの」があります。まず考えられるのは、フローリングの上に何か固いものを落としてしまって、床の表面にでこぼこの穴が開いてしまったという、いわば不注意によるものです。カーペットやクッションフロアなどと異なり、そもそも木材は傷つきやすいという特徴を持っているため、日常的に最も起こりやすい原因かもしれません。
また、水道管の漏水などでも床にでこぼこを生じさせる事例があります。戸建てや、マンションの床下には水道管が走っており、何らかの衝撃を受けて水道管にひび割れが入ると、そこから漏れ出した水が木材に染み込んで床を変形させることがあります。経年変化による木材の反りとは異なり短期間のうちにでこぼこを生じさせることがありますので、木の色が変わって急に盛り上がってきたような場合は水漏れを疑う必要もあるでしょう。
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床にでこぼこが生じるのは、何も長年住んできた戸建てやマンションに限ったものではありません。新築の家でもでこぼこ状態が起こる可能性はあります。それは不陸調整が必要になる事態で、建築の施工ミスなどによっても引き起こされるケースです。不陸とは、床や壁が水平垂直になっておらず、傾いてしまっている状態のときに使われる言葉です。
フローリングのでこぼこに対する対処法とは?
「外的な要因によるもの」には複数の原因がありますが、何かを落として床にでこぼこをつけてしまった際に、diyで補修できる簡単な方法をご紹介します。
ただしこれは無垢のフローリング材だけに使える方法であって、複合フローリングなどには使えないという点に注意する必要があります。
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この他にも、タモやローズウッドなど、フローリング材として好まれている多数の無垢材がありますので、一度目にしておくことをお勧めします。「弊社では実際にお好みの無垢材を確認できる無料サンプルをご用意しています。気になる無垢材がございましたら、ぜひ一度お手元でご覧になり、確かめてみるのがおすすめです!
施工不良や床材の劣化などに伴う不陸についても、専門の業者に処置を依頼することになります。依頼された業者は調整が必要かどうかを目視、あるいはレーザー光線による測定で判断します。
不陸調整が必要だと判断された場合は、でこぼこのへこんでいる部分に樹脂パテなどを塗り込んで高くする一方、盛り上がっている部分は研磨機を使って削ることで平滑化をはかるといった処置を施します。
ただし、この不陸調整を行うかどうかについては、国土交通省の示した数値を基準にするケースが多く、それによると1メートルで6ミリ未満の不陸については重大な瑕疵に当たるとはいえず、許容範囲であるとされています。このような許容範囲内では、工事による床面の平滑化だけに限らず、調整方法も多岐にわたってきますので、予算や工期なども含めて検討しながら最適な補修方法を選択することが必要になります。
でこぼこ床の張り替え、どんな方法がベスト?
フローリングの床がでこぼこする原因には、素材そのものや外的要因など様々な理由が潜んでいることがわかりました。それらの原因をすべて踏まえたうえで、床のでこぼこを一気に解消する方法があります。それが床の張り替えです。床全体を交換することで無垢材の反りや歪みはもちろん、落下物によるでこぼこが解消でき、許容範囲内の不陸調整も可能になります。
張り替えはなるべくしたくない、無垢フローリングに別にこだわりがないという方におすすめなのは、「KRONOTEX(クロノテックス)」と呼ばれる話題の新素材です。無垢素材と同様に高級感を漂わせ、耐久性にも優れた注目の素材は、表面に高性能なメラミン樹脂シートを使用しているラミネートフローリングで、複合フローリングのシートに当たるものです。
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シートでありながら本物の天然木を貼り付けることで、見た目に美しい木目と重厚感が無垢材さながらに目に映ります。もっとも大きな特徴が、HDF(高密度繊維版)を採用したことです。通常のシートが、MDF(中密度繊維板)を挟み込んでいるのに対し、HDFははるかに強い強度を持っており、土足での使用にも耐えることができるものです。傷つきにくくしかも安価に無垢素材の重厚感を醸し出すことができるのです。施工方法は置き敷に対応、工期が一段と短縮できるというメリットも見逃せません。
床のトラブル、必要なら適切な補修を
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