床のきしみ音はなぜ起こる?
「引き渡しから半年でお客様から床鳴りの連絡が来てしまった」
「同じ材料・同じ施工方法なのに、なぜか今回だけきしむ」
新築・リフォームの現場で、床のきしみ音は最も発生頻度の高いクレームのひとつです。
施工直後は問題なくても、季節の変わり目や入居から数ヶ月後に突然顔を出すことが多く、原因の特定にも時間がかかります。
きしみ音が厄介なのは、原因が「材料」「下地」「施工」「環境」のいずれかひとつではなく、複数が重なって発生するケースが大半だという点にあります。
床材だけを交換しても再発することも少なくありません。
そこで本記事では、創業78年超のフローリング卸として培ってきた経験から、床のきしみ音が起こる根本原因と、施工段階で押さえておくべき未然防止のポイントを整理して解説します。
LIFE UP FLOORは17種類以上のラインナップと8,000坪以上の自社倉庫を持ち、業者様の現場対応で蓄積してきた知見を踏まえてお伝えします。
【この記事のポイント】
✔️床のきしみ音が発生する4つの根本原因がわかる
✔️施工段階で未然に防ぐためのチェックポイントがわかる
✔️樹種・仕様選定でクレームリスクを下げる方法がわかる
初稿:2026/6/6
<目次>
・床のきしみ音が発生する4つの原因
・施工段階で未然に防ぐためのチェックポイント
・樹種・仕様の選定でクレームリスクを下げる
・まとめ|きしみ音は「設計・材料・施工」の総合力で防ぐ
施工後のクレームを
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床のきしみ音が発生する4つの原因
床鳴りやきしみ音は、原因がひとつに絞れないことがほとんどです。
まずは「どこで音が鳴っているか」を切り分けることが解決の第一歩になります。
きしみ音の発生源は、大きく「フローリング材そのもの」「下地と床材の接合部」「下地構造内部」の3層に分けられます。
これに環境要因が加わることで、音の出方や時期が変わります。
原因1:木材の含水率変化と寸法変動
無垢フローリングは、室内の湿度に応じて含水率が変化し、幅方向で伸縮します。
一般的に含水率1%の変化で板幅の約0.25%が動くと言われ、幅90mmの板なら約0.2mmが膨らんだり縮んだりします。
一見わずかな数値ですが、20枚並べば数mm単位の動きとなり、突き上げやこすれ音の引き金になります。
この動きで板と板の実(さね:継ぎ目の凹凸部分)がこすれ、「ミシッ」という音が発生します。
冬の乾燥期や梅雨明けに音が増える場合、この含水率変化が主因である可能性が高くなります。
施主から「特定の季節だけ音が鳴る」と言われたときは、まずこの要因を疑うのが定石です。
原因2:下地と床材の固定不良
接着剤の量不足、釘・ビスのピッチ不足、下地合板の浮きなど、固定方法の問題は最も発生頻度が高い原因です。
歩行時の荷重で床材がわずかに上下し、釘穴や下地との間で擦れて音が出ます。
当社の業者様からの相談でも、現地調査の結果としてここに行き着くケースが圧倒的多数を占めます。
特に、ボンドの塗布量が規定より少ない、釘が斜めに打たれている、根太のピッチが広すぎる現場では、施工から半年〜1年で音が顕在化する傾向があります。
歩く位置によって音が出る場所が決まっている場合は、その真下の固定状態を疑うのが近道です。
原因3:下地構造の問題
根太の間隔が広すぎる(一般的には303mmピッチが基本)、大引きや束のレベルがずれている、合板下地の厚みが不足しているといった構造側の問題も無視できません。
新築であっても、下地合板の厚みが12mmと15mmでは歩行時のたわみ量が変わり、それが音の出やすさに直結します。
下地そのものが歩行荷重でたわむと、その上にどんなフローリングを貼っても音が出ます。
特にリフォーム現場では既存下地の劣化を見落としやすく、注意が必要です。
床下点検口から目視できる範囲はもちろん、束の浮きやシロアリ被害の有無も含めた事前調査が、後のクレーム回避につながります。
原因4:温湿度と床暖房の影響
冬場の暖房使用で室内湿度が20%台まで下がると、フローリングが急激に収縮します。
逆に夏場の湿度80%超で膨張し、板が突き上げ合うことでも音が出ます。
施主のライフスタイル(加湿器の使用頻度、換気習慣など)も含めた環境設計が、長期的な床の挙動を左右します。
床暖房を使う現場では、対応していない床材を使うと寸法変化が大きく出てしまいます。
床暖房対応品は温度変化に強い構造で作られており、選定段階での見極めが重要です。
後付けで床暖房を導入する可能性がある住宅では、最初から対応品を採用しておくほうが安全策と言えます。
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施工段階で未然に防ぐためのチェックポイント
きしみ音は発生してからの対処より、施工段階での予防が圧倒的に低コストです。
現場で押さえておきたい項目を整理します。
引き渡し後のクレーム対応は、補修費・人件費・信用低下のすべてが業者側の負担になります。
施工前後のひと手間がリスクを大きく下げます。
チェック1:材料の現場馴染ませ(養生)
無垢フローリングは、施工前に最低でも3〜7日間、施工する室内で養生し、現場の温湿度に馴染ませることが推奨されます。
倉庫の含水率と現場の含水率に差があると、施工直後から動きが出てしまうためです。
特に、新築の床暖房を入れる現場や、加湿器を頻繁に使う住宅では、養生期間を長めに取ることでリスクを下げられます。
チェック2:接着剤・釘・ビスの規定量遵守
接着剤は櫛目ゴテで規定量を均一に塗布し、釘・ビスは推奨ピッチ(多くは150〜300mm)を守ることが基本です。
「これくらいで大丈夫」という現場判断が、後のクレームに直結します。
メーカー指定の使用量が記載された施工要領書を、現場の職人と共有しておくだけでも仕上がりが安定します。
下地の含水率が高い場合は接着剤の硬化が遅れるため、含水率計での確認も有効です。
コンクリートスラブ直貼りの現場では、防湿層の有無もあわせてチェックしておきたいポイントです。
チェック3:板間のクリアランス確保
壁際には伸縮を逃がすためのクリアランス(一般的に5〜10mm)を必ず確保します。
突き付け施工で壁にぴったり付けてしまうと、膨張時の逃げ場がなくなり、板が突き上げ合って音が出ます。
巾木で隠れる部分なので、見栄えを気にせず確実に確保することが鉄則です。
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樹種・仕様の選定でクレームリスクを下げる
材料選定の段階でリスクを下げる発想も重要です。
同じ「無垢フローリング」でも、樹種・仕様によって寸法安定性は大きく異なります。
「無垢にしたい、でもクレームは避けたい」という業者様の要望に対しては、仕様選定で多くがカバーできます。
仕様別の寸法安定性比較
| 比較項目 | OPC(一枚物) | UNI(ユニ) | 複合フローリング |
|---|---|---|---|
| 質感 | 天然僕の一体感 | 天然木の風合い | 木質感あり |
| 寸法安定性 | 中(湿度で動く) | やや高 | 高 |
| きしみリスク | 中 | やや低 | 低 |
| 床暖房適性 | 製品次第 | 製品次第 | 高い適性が多い |
クレームリスクを抑えたい現場では、UNIや複合フローリング、または床暖房対応の三層フローリングが選択肢になります。
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まとめ|きしみ音は「設計・材料・施工」の総合力で防ぐ
床のきしみ音は、含水率変化・固定不良・下地構造・温湿度環境という4つの要因が重なって発生します。
原因がひとつではないため、施工後の補修だけでは再発を防ぎきれず、設計・材料選定・施工管理を含めた総合的な対策が必要です。
施工段階では、養生期間の確保、接着剤と釘の規定量遵守、壁際クリアランスの確保が基本になります。
さらに、床暖房を採用する現場や湿度変化の大きい立地では、仕様選定の段階でUNIや複合・床暖房対応品を選ぶことで、クレームリスクを大きく下げられます。
「もう一度同じクレームを出したくない」
「現場に合った床材を提案したい」
そんな業者様にとって、相談できる卸業者の存在は重要な戦力になります。
LIFE UP FLOORは創業78年超の実績と17種類以上のラインナップ、8,000坪以上の自社倉庫体制で、業者様の現場ごとの条件に合わせた床材選定をサポートしています。
仕様の相談から最短当日発送までワンストップで対応可能です。
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コラム監修者からのメッセージ
鈴木 翔吾
・二級建築士・プレカットCAD技術者1級・第二種電気工事士・CLT大臣認定管理技術者
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無垢フローリングは樹種によって特性やカラーが異なります。ぜひ、お好みの無垢フローリング材を見つけて、理想とする空間づくりをお楽しみください。木材の購入でお困りの方、設計・施工業者様の皆様からのお問合せをお待ちしております。