フローリングのワックスがけについて
12月になり、1年の締めくくりとして家の中の大掃除やメンテナンスを始めている方も多いのでないでしょうか。
今回はフローリングのワックスがけについてご紹介します。「ワックスがけってどうすればいいの?」「その効果は?」「ワックスの種類は?」など、フローリングのワックスがけについて何から始めて良いか悩んでいる方はぜひ、ご一読ください!
専門の業者にお願いすることもできますが、手順をしっかり踏めば自分でも以外と簡単にできます!
では、フローリングのワックスがけについて、ワックスの種類の違い、ワックスのかけ方について順に見ていきましょう。
<この記事のポイント>
・フローリングのワックスは油性タイプ、水性タイプ、その他の3種類
・ワックスがけの頻度は半年~1年に1度が最適
・フローリングにワックスをかけるメリットは傷防止のため
更新日:2024/1/19
初稿:2021/12/7
ワックスの種類
フローリングのワックスにはいくつか種類があります。
それぞれ、仕上がりの違いやメリットデメリットがあります。床は家の中でも占める面積が多い部分ですので、フローリングの種類や好みの仕上がりに応じて適切なワックスを選ぶようにしましょう。
次の通りワックスは大きく分けて油性と水性に分けられます。
・油性ワックス
油性ワックスは「ろう」を有機溶剤に溶解させたタイプが一般的です。オイルステインなどの油加工されたフローリングに向いています。樹脂塗装されたフローリングには使えません。
オイルを木に染み込ませることによって、フローリングを傷や汚れから守ります。
蜜蝋など植物性の素材を主原料としたワックスは無垢フローリングに最適です。
無垢フローリングは美しい木目と天然木の肌触りが魅力です。油性ワックスはその魅力を損なうことなく、メンテナンスができるといえるでしょう。
・水性樹脂ワックス
水溶性はワックスは、UV塗料やウレタン樹脂といった合成樹脂を水に溶解させたタイプのワックスです。ホームセンターなどで売っている主流のフローリングワックスはこのタイプです。ちなみに、UV塗料とは、紫外線によって固まる素材のことで、紫外線をカットする効果はありません。
樹脂によって強い塗膜によってコーティングし、傷や汚れからフローリングを保護します。仕上がりも、光沢が強くでるもの、マットなもの、塗膜が厚い仕上がりのものなど様々です。お好みによって選んでください。樹脂塗装されたフローリングに使えますがオイル仕上げのフローリングには使用できません。無垢フローリングには使うことが可能ですが、塗膜を作るため無垢材の素材感は失われてしまいます。
・その他
その他にも表面に塗装をしない白木の無垢材用の白木用ワックスなどがあります。また、最近人気の高いラミネートフローリングKRONOTEXは基本的にワックスがけ、メンテナンスフリーのフローリングです。
ワックスのかけ方
ワックスの種類が分かったところで、ワックスがけの方法についてご説明します。
まず、下準備ですが、いつものお掃除を少し念入りに行うイメージでするとワックスの仕上がりもきれいになります。必要なものは普段のお掃除道具で足ります。
掃除機やフローリングシートを使い、床に落ちているホコリや髪の毛、砂などをしっかり取り除きましょう。フローリングシートを使う時はワックス成分が入っていないものを使うように注意してください。床の隙間や継ぎ目、床と壁、巾木の間などホコリが溜まりやすいところは特に念入り行いましょう。昔ながらの掃除用品である箒は細かいところの汚れをかき出すのにぴったりです。
更に、フローリング表面に黒ずみなどの汚れや、足の裏から付いた皮脂などの油分を住宅用洗剤などを使って、拭き取ります。拭き取った際は表面に洗剤成分や水分が残らないようにし、完全に乾けば準備完了となります。
なお、既にワックスがけをしてある床は、洗剤やワックス剥離剤を使って、古いワックス面ごと剥がします。古いワックスを除去したあとは、上記の手順通り、住宅用洗剤で拭き取った後、水拭きを行い、十分に時間をかけて床を乾燥させてください。この作業を行わないと新しいワックスを塗った時にムラになってしまいます。
上記の準備ができたら、いよいよワックスがけです。
最初にゴム手袋をして、肌に直接ワックスが付かないように気を付けましょう。また、使う布は毛羽立ちの少ないものにします。布に均一にワックスを染み込ませ、フローリングの木目方向に沿って塗るとキレイに仕上がります。塗り広げていくとき、部屋の一番奥からジグザグに進みま、最後は入り口の外に身体を出して塗り残しがないようにしましょう。また、作業中にワックスが乾かないうちに上を踏むことがないよう注意してください。
手で塗るのが負担になる場合は、フローリングシート用のワイパーに布を取り付けて塗る方法も簡単でおすすめです。
塗り終えたら、ワックスを乾燥させます。乾燥時間はワックスの種類により異なります。使ったワックスのパッケージに表記されているので、確認してください。約1時間程度で乾くものが多いですが、完全に乾くとなると丸1日かかることもあります。速乾タイプのものは夏場で約20分程度で乾くようです。乾いたかどうかは、入り口付近の床をそっと手で触ってベタつかないようになれば完了です。
こういったことからも、ワックスがけを行うには、湿度の高い雨の日や寒い日は避け、天気の良い日を選ぶと良いでしょう。風が強い日は砂埃などが室内に入ってしまうとワックスと一緒に固まってしまいます。
冬場や早く乾かしたい場合はエアコンをかけてみてください。
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ワックスがけの頻度とその他の注意点
・ワックスがけの頻度は?
ワックスがけの頻度ですが、半年~1年に1度上塗り直すのが最適です。
床は日常的に歩く場所なので、ワックスは摩擦により減っていきます。ワックスが剥がれ、床に黒ずみが目立ってきたり、輝きが曇ってきた時が塗りな目安になります。普段はワックス成分の入ったフロアモップなどで手入れすると本格的なワックスがけをするまでの間、フローリングのつやをある程度保ってくれます。
床の摩擦が大きく、白っぽくなるほどワックスが剥がれた場合は、色付きのワックスがおすすめです。床の色合いに合わせて製品を選ぶようにしましょう。フローリングの色艶が戻ります。
ただし、色付きのワックスはコーティング力が強く、無垢フローリングには適しませんので、注意しましょう。
ワックスをかけたフローリングは水が大敵
ワックスをかけたフローリングは汚れの付着を防いでくれる反面、水やジュースなどの液体によって長時間濡れたまま放置すると、ワックスがふやけて白くなる恐れがあるので気を付けましょう。
キッチンやダイニングなどのフローリングにワックスがけをする場合は、少し厚めにワックスをかけるのがおすすめです。
無垢フローリングも水に弱い素材です。長時間水に触れると反りやシミの原因になります。
無垢フローリングには浸透させるタイプのオイルワックスを使うと、白くなる心配はありません。また、油分が水分を弾いてくれるので、少しお水をこぼした程度なら気にしなくても大丈夫です。すぐに乾いた布で拭き取り乾かすようにしましょう。
無垢フローリングの場合は、塗膜をつくらず、専用のオイル系のワックスをかけます。その理由は、無垢材は経年変化によって色の変化を楽しみながら、天然木の調湿効果を減らさないためです。オイルが浸透した床は使い込む程に艶がでて、味わいになります。そして、天然の調湿効果によって、夏に素足で歩いてもベタつきを感じにくく、さらさらな床が持続します。表面に塗膜を作ってしまうとそれが叶わなくなります。
ぜひ、無垢フローリングの快適さを体験してみてください。
フローリングにワックスがけをするメリット
ワックスがけのメリットは次のようなものがあります。
・フローリング床を保護できる
ワックスをかける理由として、大切なフローリングの床を保護したいと考える人が多いのではないでしょうか。
ワックスによってい表面に作られた硬い塗膜がフローリングを保護し、すり傷や歩行傷から守り耐久性が上がります。家の中でも毎日人の足の裏が触れ、消耗が激しい部分なので、ワックスがけによって保護して長くきれいな状態を保ちましょう。
ワックスをかけることで、床材を直接汚さず、汚れが床に落ちても、ワックスの表面に付着するので、お掃除が簡単になります。そして、フローリング表面につきやすい細かい傷が目立ちにくくなります。床を長持ちさせたい場合はワックスがけは不可欠といえるでしょう。
・美しいツヤがでる
ワックスを塗布すると「光沢が出る」というイメージを思い浮かべる方もいるかと思います。
美しい光沢のある床は高級感があり、上質な空間を演出してくれます。水溶性のワックスの方が膜を作るため、強く光沢がでます。無垢フローリングに使うオイル系のワックスは自然な艶が魅力です。また、木材の美しい木目を引き出したり、色付きのオイルワックスを塗ることで、色合いの調整することも可能です。
ぜひ、無垢フローリングの美しい木目と、経年変化によって飴色に変化していく様子を楽しみながら、末永く付き合っていただけたら幸いです。
コラム監修者からのメッセージ
鈴木 翔吾
・二級建築士・プレカットCAD技術者1級・第二種電気工事士・CLT大臣認定管理技術者
LIFE UP FLOORでは、お客様のご要望に合った高品質なフローリング材を全国販売し、最短当日発送が可能です!お陰様で長野東北信エリアでは販売実績No1となりました。ありがとうございます。
無垢フローリングは樹種によって特性やカラーが異なります。ぜひ、お好みの無垢フローリング材を見つけて、理想とする空間づくりをお楽しみください。木材の購入でお困りの方、設計・施工業者様の皆様からのお問合せをお待ちしております。