無垢フローリング床の補修方法のアイディア
このコラムでも度々ご紹介してきた通り、無垢材のフローリングの床は、天然の木の持つ特性を味わうことができ、たくさんの魅力が詰まっています。そして、無垢材のもつ高級感は、こだわりのある家づくりをしたい方々からも根強い人気があります。新築に限らず、リフォーム、リノベーションで無垢床にしたいと考えている人もいるでしょう。
しかし、複合フローリングに比べて、無垢材は汚れや傷などのダメージが表面につきやすく、価格も高いため、気軽に張り替えできないというデメリットもあり、なかなか無垢材のフローリングを取り入れることに踏み切れないという声も聞きます。
<この記事のポイント>
・無垢フローリングの傷を補修する様々な方法がわかる
・無垢フローリングのお手入れ方法がわかる
更新日2024/1/19
初稿:2021/08/21
新築住宅やリフォームしたばかりの頃は、家の中の至る所に気を配り、できるだけ傷が付かないように心掛けている人も多いのではないでしょうか。特に面積の広い床は一度傷がつくと簡単には張替えできない部分のため気を遣いますよね。
無垢フローリングの補修 DIYの方法について
無垢フローリングに傷が付いてしまった場合、その傷の深さや大きさの度合いによって補修方法は変わってきます。
・ごく浅い凹み
まず、一つは無垢フローリングの、水分を吸収して伸縮する特性を活かして補修を行っていきます。
ダメージが出来て、時間がそれほど経っていない床の凹みならば、水を含ませたキッチンペーパーや小さ目のタオルなどを、補修したい凹みの上に置いて水分を吸収させるだけで元に戻ることもあります。ただし、樹種によって水分の吸収の仕方に違いがあるので、事前の特徴を理解しておくことも大切です。杉やヒノキなどの柔らかい木は、比較的吸収がよく補修しやすいですが、ケヤキや桜、オークなどの堅い木は、水分を吸収しにくいため補修に限度があります。
また、水を使わずに補修したい場合は、目の細かいサンドペーパー(#320程度)で少しずつ表面だけ削っていくと傷を目立たなくさせることができます。無垢フローリングは、天然の木をそのままフローリング材に加工したものなので、削っても新しい木目が顔を出し、美しさを保つことができるのです。
もし、合板を基材とした複合フローリングの場合、傷が付いたところにサンドペーパーをかけてしまうと、表面の化粧材が剥がれて中の合板が見えてしまい、汚くなってしまいます。無垢材だとその心配がなく、色も経年変化によって深まるので、多少の床の傷は気にすることなく使い続けられます。
サンドペーパーで削る時は元の木目の流れに沿うように削れば自然に目立たなくなります。仕上げに、削らなかった部分との差を目立たなくするために、オイルやワックス塗装をきちんと施すことがポイントです。
LIFE UP FLOORでは様々な種類の無垢フローリングを取り扱っております。大切な住まいの床材、フローリングのご相談はお気軽にどうぞ。
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床の補修にも使えるアイロン
・浅い~中程度の傷
ある程度の目立つ床の傷をしっかり補修する場合には、最初にサンドペーパーなどで削り、表面のワックスなどを落として、水分を吸収しやすくさせると効果的です。そのあと、凹んだ部分に30分ほど水分を吸収させておき、湿らせた布の上からアイロンで温めるとほとんど目立たなくなります。水滴を落とさずアイロンのスチーム機能だけでも可能な場合もあるので、傷の程度によって、試してみましょう。
・中程度~深い傷
さらに傷が深いと感じる場合は、凹み傷に「押しピン」などを使って小さな穴を開けます。
こうすることで、より木の中に水が浸透しやすくなります。その後、布を当て、アイロンでフローリングに熱をかけます。熱により水を含んだ木の繊維が膨張することで傷を目立たなくするのです。
もし、凹み傷が直っていなかったら、再度水を一滴落としアイロンで熱します。長時間当てすぎて焦げ跡になったりしないよう確認しながら行いましょう。火傷をしないように気を付けてくださいね。
そしてアイロンを当てた後は乾かしてから仕上げにオイルかワックス塗装を行うようにしましょう。ムラのないように塗れば、どこが凹んでいたかもわからなくなるレベルで補修できるでしょう。
ただし、アイロンの使用には適さない無垢フローリングもあるため注意が必要です。
無垢フローリングといっても、様々な種類があり、その仕上げに塗装が施されているタイプのものも多くあります。塗装をすることで、デリケートな無垢材を傷や汚れから守る働きがあるのです。
塗装の種類は、大きく3つに分けてUVウレタン塗装、ワックス塗装、自然オイル塗装があります。
ワックス塗装とは、自然の蝋を木の表面にコーティングすることでフローリングの耐水性を高め、汚れから守る塗装です。仕上がりは、木の内部に染み込まないので濡れ色にならず、無塗装に近いさらっとした手触りになります。塗りこんで磨くことで木目が際立ち、自然な艶もでます。
自然オイル塗装とは、原料に石油や合成顔料を含まない天然素材を主原料とし、桐油やヒマワリ油、亜麻仁油などの植物性オイルを浸透させることにより、無垢材を保護します。無垢材に浸透させるので、無塗装に近い木材のもつ本来の手触りを残してくれます。
この二つの塗装については、紙やすりでの補修、アイロンの熱を使った補修が可能です。補修後は、上から再度同じ塗装を塗るようにしましょう。
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市販の補修ペンやパテを使う方法
無垢フローリングの補修におすすめの、アイロンと水を使う方法を紹介しましたが、ホームセンターなどに行けば、もっと手軽に作業できるリペアキットも販売されています。傷隠しのテープや補修用クレヨンは手軽に利用でき、傷を目立たなくさせるため、あまり深い傷でなければ試してみるのもよいでしょう。これらは、ウレタン塗装の複合フローリングに傷がついた場合におすすめの方法です。
ただし、無理に傷に塗り込むと、杉やヒノキなどの柔らかい木質のフローリングの場合は、かえって傷つけてしまうこともあります。力の加減に気を付けて使いましょう。
他にも、傷やへこんだ箇所を隠すパテをヘラで埋めるDIYもあります。しかし、この方法は複合フローリング向けと言えるでしょう。無垢フローリングの場合、天然の木が持つ調湿機能によって多少の歪みが出てしまい、パテを入れても馴染まずに取れて失敗してしまう恐れがあります。
深い傷、DIYの範囲を越えそうな大きな傷ができたら、専門であるプロの業者に早めに相談するようにしましょう。
無垢フローリングの日々のお手入れについて
無垢フローリングは合板の複合フローリングと比べるとどうしても、汚れや傷に弱いイメージがあるかと思います。ただ、日頃のお手入れの中でちょっとした心掛けで改善できることは多いので、そのポイントをご紹介します。
・普段の掃除は乾拭きで
日常的な掃除は、掃除機がけで十分です。より丁寧に扱いたい人は、ほうきなどでさっとごみやホコリを掃き掃除しましょう。ワックス成分や汚れを落とす洗剤を含んだ、フロアーシートやモップは、変色を引き起こす可能性があるので、使わないのが賢明です。もし、どうしても拭き掃除をしたい場合は、水分を吸収しないように乾拭き、もしくは固く絞った雑巾拭きにしましょう。
・カーペット等の敷物や保護用品を使用する
無垢フローリングを傷や汚れから守るためには、絨毯やマットを敷いたり、家具の脚に傷を防ぐ保護用品を装着したりするのも有効的です。特に、汚れが付きやすいキッチンやダイニング周りの場所では、引きずることの多い椅子の脚に保護用品を被せたり、ラグを敷くことで食べこぼし等の汚れからも守れて安心です。
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・液体をこぼしたらすぐに拭き取る
無垢フローリングは水分を吸収しやすいので、汚れを染み込ませないために、何かをこぼした際には、できるだけ早くしっかり拭き取るようにしましょう。万が一、すぐに拭いても汚れが落ちにくい場合は、濡らした布をレンジで温め蒸しタオルを作り、硬く絞って汚れの上に置けばスチーム効果で汚れが落ちやすくなります。湿らせたままだと床材が変形する可能性があるので、最後にしっかり乾いた布で拭き取り、床材を乾燥させておくことも大切です。
・ワックスや塗装を施す
先に紹介した通り、天然木とは言っても、表面に何も塗らずに切り出した木の状態で床材として使うことは、水分や汚れが付着してしまうのでおすすめしません。無垢材の経年変化を楽しみながら、長く使うためにもワックスやオイル塗装をして、しっかり保護するようにしましょう。
ワックスやオイルを塗ることで汚れから守ることはもちろん、床にツヤを出して無垢材の木目を引き立て、美しさを保つことができます。
頻度としては、年に一度は行うようにしましょう。ワックスは表面にごく薄い膜を作って、床材を保護し、オイルは木に浸透することで汚れを防いでくれます。定期的に塗り直しをすることで効果が継続するので、忘れず行うようにしましょう。結果的に、日々の掃除も楽になり、無垢フローリングを長持ちさせることができます。
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コラム監修者からのメッセージ
鈴木 翔吾
・二級建築士・プレカットCAD技術者1級・第二種電気工事士・CLT大臣認定管理技術者
LIFE UP FLOORでは、お客様のご要望に合った高品質なフローリング材を全国販売し、最短当日発送が可能です!お陰様で長野東北信エリアでは販売実績No1となりました。ありがとうございます。
無垢フローリングは樹種によって特性やカラーが異なります。ぜひ、お好みの無垢フローリング材を見つけて、理想とする空間づくりをお楽しみください。木材の購入でお困りの方、設計・施工業者様の皆様からのお問合せをお待ちしております。