カバザクラのフローリングについて
「カバザクラ」は、カバノキ科シラカンバ属の落葉広葉樹です。樹種としては、「樺」のことで、英語では「バーチ材」と呼ばれています。バーチ材は更に産地や色味の違いから南西桜や樺桜(カバザクラ)に分けることができます。
なぜ、「桜」という文字が使われているのでしょうか。実は、木目が桜と似ており、日本にバーチ材が入ってきた際に桜の代用品として使われたことに端を発します。そして今では木材業界で「サクラ」と表現した場合もカバザクラ材を指すほど、樺=カバザクラという名前が広く浸透しています。
ちなみに、本物の桜から作られた木材は、樺桜と区別するために「本桜」「真桜」などと表記されることが一般的です。 今回はこの、カバザクラのフローリングについて、魅力をご紹介していきます。
<この記事のポイント>
・カバザクラは色の変化が少なくいつまでも明るく均一な雰囲気を保てる
・カバザクラの無垢フローリングは天然の木材ならではの優しさがある
・カバザクラはシンプルで明るい色の木材なのでどんなインテリアとも馴染みやすい
更新日:2024/02/16
初稿:2021/05/29
カバザクラフローリング施工例
カバザクラフローリングの施工写真です。こちらはダンススタジオに施工しました。カバザクラは柔らかすぎず、適度な弾力性、衝撃吸収性があるので、ダンスに適していると定評のある床材です。目が詰まっていて減りにくいので、体育館などにも利用されています。また、白黄色の色味がスタジオ全体を明るい空間に演出してくれます。
環孔材と散孔材について
広葉樹には、導管と呼ばれる水分や養分を伝導するための管があります。この導管が太く、環状に並んでいる木材を環孔材といいます。環孔材の代表的な木材に、ナラ材やタモ、ケヤキ材があります。これらは木目がはっきりして、道管が太いため表面の手触りもやや凹凸が感じられるでしょう。
一方で導管が細く、木全体に満遍なく散らばっている木材を散孔材と言います。カバザクラは散孔材です。他にもウォールナット材やメープル材も有名な散孔材です。 カバザクラの曖昧な木目の優しい表情、すべすべした滑らかな手触りは、導管が細い散孔材ならではの魅力なのです。
これからの季節、素足で過ごすことが増えてきます。また、今の世の中では「お家時間」を大切にしている人も多いかと思います。素足でリラックスして過ごす空間には、カバザクラの無垢フローリングがおすすめです。いつまでも触れていたくなるような、すべすべした肌触り、無垢材ならではの調湿効果でベタつきも少なく、快適な住まいにすることができるでしょう。
株式会社カネトLIFE UP FLOORではフローリングの無料サンプルをご用意しております。実際に手に取って、木の肌触り、質感をお確かめいただけます。お気軽にご依頼、ご相談ください。
西南ザクラフローリングとは
カバザクラと同じバーチ材には西南ザクラ(カバ)と呼ばれるものもあります。主に中国の西南部を産地とした樺材です。控えめな木目で、ピン木がかった上品な色味が特徴です。堅すぎない木質や、滑らかな肌触りなどはカバザクラと同様の良さを兼ね備えています。
また、 雨風や枝の重みなど何かしらの原因で、樹木に荷重がかかったりすることで生まれる、「縮緬杢(ちりめんもく)」、「波杢(なみもく)」と呼ばれる独特の模様が出ることもあり、光の当たり具合によって表情が変わる、希少な木材として注目されています。
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カバザクラがおすすめの理由
子供にやさしいフローリング
小さな子供を育てるうえで安心な空間とはどのような空間でしょうか。もし、新築後やリフォーム後に花粉症のようなアレルギー反応が続く場合、シックハウス症候群の可能性があります。シックハウス症候群とは、室内の空気汚染が原因で起きる健康被害のことを指します。建材や内装材などから放散されるホルムアルデヒドや、トルエンなどの揮発性有機化合物が空気中に飛散して、喉の痛みや頭痛などの症状が出るようです。
2003年に建築基準法が改正され、ホルムアルデヒドの揮発量に応じて、建材や内装材に等級が設けられました。基準に達していない建材は使用できる量を制限されており、新築の家には常時換気の設備も義務付けられています。 しかし、建築基準法で規制されているのは、ホルムアルデヒド他の合計2物質のみなので、他の化学物質による健康被害は後を断ちません。
このようなシックハウス症候群にならない為に効果的なのは、換気するよりも、元の建材を有害物質を放散させない天然素材を使うことがポイントです。 合板で出来たフローリングは化粧材を重ね合わせる際に大量の接着剤を使用します。また、床に施工する時にも、マンションなどでは、大量のボンドで張り付ける場合もあります。
一枚板の無垢フローリングなら、その心配がありません。天然木の調湿作用は「木が呼吸している」と言われるように、室内の空気を快適に保ってくれます。無垢材なら、表面もウレタン塗装ではなく、蜜蝋などの自然オイル仕上げすることで、汚れから守ることができます。
子供に優しいフローリングはこちら
カバザクラの無垢フローリングは、堅すぎず柔らかすぎない、弾力性のある堅さが特徴です。広葉樹というと、目の詰まった堅い樹種が多く「長時間立っていると足に負担がある」「素足であるくと冷たい」といったデメリットが上げられます。しかし、カバザクラは、広葉樹の中でも柔らかい樹種なので、こういったデメリットを感じず、汚れや水にも強い木材です。
柔らかく子供部屋にも人気のあるフローリングに杉やパイン材もありますが、特徴のある節が「目玉のようで怖い」と感じてしまう子供もいるようです。 カバザクラでしたら、節もないので子供が怖いと感じることもなく、また色味も白っぽくナチュラルな雰囲気なので、お部屋を明るくしてくれます。バランスのとれた、子供が使う部屋にはぴったりのフローリングと言えるのではないでしょうか。
素足×無垢フローリングは最高の気持ち良さ
子供がいるご家庭では「傷がつきやすい」「汚れが気になる」といった理由から無垢フローリングを採用するかどうか、悩んでいることもあるかと思います。 しかし、一度無垢フローリングを体験してみると、そのデメリットを上回る心地良さを感じられる方が多いようです。
カバザクラは無垢材の中でも反りが少なく耐久性に優れ、傷や凹みにも強い木材です。子供がオモチャを落としてしまったり、走り回っても気になることは少ないでしょう。転倒防止のために室内では裸足で過ごしているお子様も多いのではないでしょうか。無垢フローリングの天然木ならではの温もりのある、気候に合わせてべたつかない快適な肌触りは他のフローリングでは味わうことができません。
大人も思わず、素足で過ごしたくなるはずです。もし、冬の冷たさが気になる時は床暖房対応の商品もあります。
無垢フローリングは足裏の油分が経年変化と共に、艶となって色の深みが増していきます。複合フローリングですと、傷が付いた時に化粧材が剥がれて中の基材が見えて補修も難しくなります。無垢フローリングなら、天然木なのでサンドペーパーで補修したり、傷も味として残しておいても違和感が少ないでしょう。
無垢フローリングの使い始めに表面に塗布する保護剤は、いくつかの種類があります。カバザクラの桜に似た淡い色合いを最大限に活かすためにも、浸透系のオイル塗料がおすすめです。自分でDIYすることもできます。
表面を完全にコーティングしてしまう「ウレタン塗料」は保護性が高く、傷や汚れからフローリングを守ってくれます。しかし、無垢材の風合いを無くし、カバザクラの滑らかで美しい木目と色合いも被膜で覆ってしまうことになります。
浸透系オイル塗料なら無垢材ならではの風合いや色味を損なわずに表面を汚れから守ってくれるので、多少のこぼした水くらいではシミにはならずに済みます。
無垢フローリングにおいて定期的はメンテナンスは欠かせません。面倒に感じてしまう方もいるかもしれませんが、長期的な目でみると、メンテナンスさえ行えば、複合フローリングやクッションフロアよりも末永く愛用できるのが無垢フローリングの魅力といえます。
カバザクラは非常に優れた木材ですが、高級木材とされるオーク材や、チーク材に比べると価格が安く抑えられるのも魅力のひとつです。ぜひ、新築、リフォームの際にはカバザクラのフローリングも検討してみてはいかがでしょうか。
カバザクラとインテリアの相性
カバザクラフローリングの施工例写真です。カバザクラはシンプルでナチュラルな木材なので、どんなインテリアにも馴染みやすく、畳を部分づかいした日本住宅にもぴったりです。経年変化による色の変化も穏やかなので、上品な雰囲気の空間を保ってくれます。
カバザクラフローリングと北欧インテリア
みなさんヨーロッパで広まっている「ヒュッゲ(HYGGE)」という言葉はご存知ですか?デンマーク発の「日々の暮らしの中で、快適さや、心地よさを大切にし、「食後にゆっくりお気に入りの飲み物を飲んでほっとする」ような、時間を大切にするライフスタイルを表す言葉です。
北欧は冬の期間が長く、日照時間も短いため、気分が暗くなりやすい環境にあります。そんな中でも明るくハッピーな気持ちに過ごすために、お家でのリラックスタイムを楽しむ文化が発達してきました。
現在では、日本でも「ヒュッゲな時間」を楽しむ人が増えてきました。それと同時に、北欧インテリアも人気のスタイルです。
北欧インテリアは木の質感を大切にし、鮮やかなアクセントカラーが特徴です。この素朴な温もりのあるインテリアに、床がビニール製のタイルや合板フローリングだと、素材感が違って、まとまりのない空間になってしまうかもしれません カバザクラの無垢のフローリングなら、癖のない木目、明るい色の濃淡と天然木ならではの質感が北欧インテリアとのイメージとも馴染んで、落ち着く空間を演出してくれるでしょう。お気に入りの家具と心地よい床に囲まれて、心から安らげる空間を作ってみませんか?
カバザクラと比べられるパイン材とは
カバザクラとよく比べられる樹種にパイン材がありますので、ここで少しご紹介します。
パイン材はマツ科の針葉樹で、白っぽい黄色の色合いが特徴です。油分が多いので経年変化では艶やかな飴色に変化し、ヴィンテージ感を味わくことができます。必ず節があり、木目がはっきりしているのが特徴です。
針葉樹ならではの木の香り、素足に優しい柔らかさがあります。柔らかい分、キズや凹みができやすいというデメリットもあります。比較的価格も安く手に入るので、無垢フローリングとして取り入れやすい木材です。
一方でカバザクラフローリングは節がなく、木目もはっきりしないため、やさしく上品で落ち着いた印象になります。そして経年変化による色の変化が少ないという特徴があります。ほんのりと色が増す程度です。
無垢フローリングの良さとして経年変化による深みのある色の変化、節や木目が持つ素朴な風合いがありますが、そういった変化を好まない方いるでしょう。カバザクラなら施工当初の明るめの色合いを保つことができ、節や木目といった主張が強くないため均一な空間を作ることができます。
カバザクラフローリングまとめ
ここまで、カバザクラフローリングについてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?無垢材のフローリングというと、ヴィンテージ感やラスティックな渋い経年変化を想像する方も多いかもしれません。カバザクラフローリングはそんなイメージを変えてくれる、明るく滑らかなフローリングです。加工もしやすく、安定した木材なので初めて無垢フローリングを取り入れる方にもおすすめの樹種です。
無垢材の持つ温もりと力強いパワーを感じて、これからのフローリング選びの参考にしていただけたら嬉しいです。
コラム監修者からのメッセージ
鈴木 翔吾
・二級建築士・プレカットCAD技術者1級・第二種電気工事士・CLT大臣認定管理技術者
LIFE UP FLOORでは、お客様のご要望に合った高品質なフローリング材を全国販売し、最短当日発送が可能です!お陰様で長野東北信エリアでは販売実績No1となりました。ありがとうございます。
無垢フローリングは樹種によって特性やカラーが異なります。ぜひ、お好みの無垢フローリング材を見つけて、理想とする空間づくりをお楽しみください。木材の購入でお困りの方、設計・施工業者様の皆様からのお問合せをお待ちしております。