WELL認証 今注目の身体と心にやさしい建築とは

WELL認証 身体と心にやさしい建築とは

ここ最近のコロナ禍において、世界中で住環境の見直しが進んでいます。それに伴い、「感染症対策」「SDGs」「ESG投資」「環境配慮」「テレワーク推進」など私たちの社会、住環境を取り巻くキーワードも変化しています。

そして、新しい視点として注目を集めているのが、「WELL認証(WELL Certification)」です。今回はこのWELL認証についてご紹介しますので、最新の心と身体に優しい住まいとはどのようなものか、考えてみましょう。

WELL認証

端的に言うと、WELL認証とは、ウェルビーイング(身体的、精神的、社会的に良好であること)の視点で建物の環境・エネルギー性能と利用者の健康・快適性を評価する世界初の制度です。人々の健康や生活の快適さなどに焦点を当てて、建築物そのものに加え、居住区の環境や運用に対しても性能評価を行うことで、客観的な評価基準を基に、不動産価値を国際的な評価基準と照らしあわせることができるのが特徴です。

家
WELL認証は2014年にアメリカのDelos社によって開発されてから評価基準もどんどんアップデートされています。現在は「空気、水、栄養、光、運動、温熱快適性、音、材料、こころ、コミュニティ」という10項目が評価基準となっています。そして、WELL認証は建物の設備的な点だけではなく、建物、施設の運用方法や、導入プログラムが認証を取る際の評価の重要なポイントになっています。
家

身体的だけでなく、精神的、社会的にも健康な、幸福度をあげていこうという考え方を住空間にも取り入れ、日本では、主に職場環境や公共ビルに対してこのウェルビーイングを向上させようという動きが進んでいます。

もちろん、個人の住宅においても、認証は取らなくても、この観点で住まいづくりを進めれば、家族みんなの幸福度があがる空間ができそうですよね。

<この記事のポイント>

・WILL認証制度について知ろう
・商業施設などニューノーマル時代の集客ポイントとは?      
・一般の住宅・マンションにも広がる取り組みが分かる

更新日:2024/1/19
初稿:2021/09/27

WELL認証のメリットとは

WELL認証を得た空間にはどのようなメリットがあるでしょうか?

コロナ禍により室内で過ごす時間は圧倒的に増えています。健康に生活するための基盤を家の中につくることで、肉体的、精神的にも健康に、豊かな生活ができる環境を整えることは重要です。例えば、建物の空気質環境が良ければ、気管支炎やぜん息に罹るリスクを減らし、シックハウス症候群の予防にもなります。

街並み

無垢床材や漆喰、珪藻土などの塗り壁は自然の吸湿効果、消臭効果も期待できるので、シックハウス症候群の対策にはおすすめです。天然素材を上手に取り入れることで、健康的な家づくりができるでしょう。

では、具体的にどのような取り組みをして、WELL認証を取得するかご紹介します。

WELL認証

認証取得のためには「必須項目」を全て満たす必要があります。その上で加点項目を満たすことで、Platinum・Gold・Silverのランクで評価されます。特に居住者の身体にかかわる評価ポイントについては、環境工学の観点のみならず、医学の見地からも検証が加えられます。

その場所で働く人、利用する人、住む人の健康志向、生産性向上に寄与できるので、取得メリットがあるといわれているのです。ニューノーマル時代の集客施設づくりとしても、WELL認証の取得には注目が高まっています。

WELL認証

具体的な審査方法としては、書類審査通過後、運用中の現地審査があります。案件の規模によりますが、2~3日以上かけて空気質・水質・光・音・温熱感指標の測定の他、さまざまな項目におけるスポットチェックを行います。

通常、海外から検証のための測定員が来日し、測定、サンプリングを行ったうえで、空気質や水質は分析会社に送られます。その後、現地検証の結果を含めて最終的な点数が決まると認証レベルが確定します。

ロビー

事例紹介

あるホテルでは、清潔で安心な空間をつくる「空調方式」の採用、「手洗い環境の整備と除菌清掃に関する取り組み」「緑や自然を感じさせる空間」を、ロビーや客室に配置しました。更に、快適な安眠と目覚めを可能にするための「快眠照明システム」が導入が評価され、WELL認証を取得しています。
このように、WELL認証の申請では、自然に親しみながら過ごす工夫があるか、心地の良い快適な空間づくりのポイントはどこかを伝えるために、デザイナー自身が申請書類を書くものもあるそうです。調査は科学的根拠に基づいて定量的に判断できることだけでなく、数値化しにくい、利用する人や働く人の気分や雰囲気も評価されるのは面白いですよね。
WELL認証
ただし、WELL認証の基準を満たすには多岐に渡る設備の整備、環境構築が必要です。取得のためにサポートをしてくれる住設メーカーや、機関があるので、本格的にWELL認証の取得を目指す場合は、そういった専門の会社に相談するのがよいでしょう。

世界に広がるWELL認証

WELL認証

現在日本では、WELL認証を導入した建物の多くはオフィスビルで、住まいへの本格導入はまだ進んでおりません。世界発となるWELL認証を取得した既存建築物を利用した賃貸マンションは2018年にオランダで登場しています。そして、日本でも2021年1月に初の集合住宅でのWELL認証、シルバー取得がある企業の社員寮でなされました。新入社員が1年間入寮する教育寮のため、未来を担う新社員の心身の健康と豊かな生活環境の維持、能動的に環境づくりに取り組んでいく意識を育むことを期待し、取得に至ったそうです。

オフィス

そこで提供される水や食事、バリアフリー化、屋内完全喫煙など、集合住宅としてだけでなく、オフィスで適用される項目も取り入れて、評価、認証を受けています。

心と身体に配慮した空間づくりはこれからも加速し、日本でもウェルビーイングな住まいがスタンダードになっていく日も近いかもしれませんね。

オフィス

建物の評価・認証制度と言えば、建物と敷地利用についての環境性能評価システムLEED®や、省エネルギーや環境負荷の少ない資機材の使用といった環境配慮、室内の快適性や景観への配慮なども含めた建物の品質を総合的に評価するシステムであるCASBEE®などが有名です。

これらの評価システムは建物の性能を対象にしているのに対し、WELL認証は人間への影響にフォーカスしています。このため、10のコンセプトでは「こころ」「食べ物」「コミュニティ」といった、建築の枠に留まらない視点が示されています。

フローリング
無垢フローリングは天然の木そのものの手触りや香りを感じることができる魅力的な床材です。そして、調湿効果により湿度を保ってくれるので、快適な空間をつくることができます。例えば、杉やひのきといった芳香がある樹種にはフィトンチッドという成分が含まれており、人々の心にリラックス効果を与えてくれることが実証されています。WELL認証の評価基準中にある、「こころ」の部分に良い影響を与えてくれるでしょう。
well認証

LIFE UP FLOORでは豊富な無垢材をご用意しております。一般の方向けに無料サンプルもございますので、実際に手に取って、無垢材の質感をご確認いただけます。お気軽にお問合せください!

WELL認証についてのまとめ

WELL認証

ここまで、WELL認証についてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?

時代の変化と共に、オフィスや住宅に求められる機能や環境も変化しています。人に寄り添った快適な空間づくりができるように、アンテナを張って情報収集してみましょう。

弊社では、様々な無垢フローリングをご用意しております。心地よい空間を実現するためのフローリング探しにお役立れば幸いです。

無料サンプルもご用意しております!ぜひ、お気軽にお問合せください!

無料サンプル請求はこちら

コラム監修者からのメッセージ

監修者

鈴木 翔吾
・二級建築士・プレカットCAD技術者1級・第二種電気工事士・CLT大臣認定管理技術者

LIFE UP FLOORでは、お客様のご要望に合った高品質なフローリング材を全国販売し、最短当日発送が可能です!お陰様で長野東北信エリアでは販売実績No1となりました。ありがとうございます。
無垢フローリングは樹種によって特性やカラーが異なります。ぜひ、お好みの無垢フローリング材を見つけて、理想とする空間づくりをお楽しみください。木材の購入でお困りの方、設計・施工業者様の皆様からのお問合せをお待ちしております。

身体にやさしいフローリングはこちら

施工事例はこちら

最終更新日: