土足でも大丈夫?主なフローリング材の特徴をチェック
<この記事のポイント>
フローリングを土足で使う場合の注意点がわかる
土足でも大丈夫な床材がわかる
更新日:2023/12/25
初稿:2022/08/05
土足環境にフローリング材は大丈夫?
フローリング4種の特徴・注意点
・突板(つきいた)フローリングとは?
「突板フローリング」は合板基材にスライスした無垢材を張り付けた複合フローリングの一種です。天然木から削りだした0.2mmから0.6mmの厚みの板によって、無垢材の質感や意匠感が楽しめます。大量生産が可能なので比較的価格が安く、手に入りやすい床材です。近所のホームセンターなどでも購入できます。木材や色目のバリエーションが多いので、好みの床材を見つけやすいでしょう。
突板フローリングを使う上で、まず挙げられるメリットが、変形や変質に強いという点です。突板フローリングは複層構造になっています。そのため、多少の湿度変化や温度変化では影響を受けません。施工後に歪み・反り・割れといったトラブルが起きる可能性も低いです。「品質が均一」である点も大きなメリットです。フローリング材ごとの品質のバラつきが少なく狂いがあまりありません。外観も均一なものが多いので、施工の際に木目などを調整する必要がありません。部屋の意匠を簡単にイメージ通りにできるでしょう。
・「挽き板(ひきいた)フローリング」とは?
「挽き板(ひきいた)フローリング」は、合板基材の上に2mmから3mm厚の天然木のスライスを張り付けたフローリング材です。無垢材と変わらない質感を持ちながら、コストは控えめな床材なので、広く使われています。
挽き板フローリングの最大のメリットは、無垢材と変わらない質感を持っていることです。表面板に十分な厚みがあるため、無垢同様の木目の美しさや温かさが感じられます。また、突板フローリング同様に変形や変質に強いという特色があります。本来の無垢材は加工後の狂い、割れ・反り・歪みといったトラブルを起こしやすい素材です。しかし挽き板フローリングは基材で支えられているため、これらのトラブルがあまり起こりません。加工がしやすく施工後の仕上がりも非常にきれいです。さらに表面を削るだけで傷や汚れをとることが可能なので、メンテナンスを欠かさなければ長持ちします。
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・無垢フローリングとは?
無垢フローリングとは、1枚板を加工して作った単層フローリング材のことを指します。天然木が持つ質感そのものを楽しむことができ、意匠性に優れているという特徴があります。
ただし、無垢フローリングは自然素材のため、メンテナンスが行き届いていない環境では、歪み・割れ・反り・縮みといったトラブルを簡単に引き起こします。
・シートフローリングとは?
シートフローリングは合板にシートを張り付けた複合フローリングの一種です。無垢・挽き板・突板フローリングとは違い、表面に天然木を用いていません。木目状に見えるものは、あくまでシートに木目調がプリントされたものにすぎません。シートフローリングは、比較的安価で、多くの種類が発売されています。自分好みのフローリング材が見つけやすい、魅力的な床材です。表面がシートなので、汚れが付着しづらく、ワックスやオイルによるお手入れも不用。また、経年変化に非常に強く、寸法安定性にも優れており、加工も容易です。素人であってもシートフローリングなら、きれいに施工できるでしょう。
一方で、シートフローリングは長持ちするものの、劣化にはあまり強くありません。日差しによって黄ばみや色抜けが起きたり、傷ついた部分からシートがめくれてしまうことがあります。劣化したり傷ついたシートフローリングは、修理できないため貼り替えて交換せざるを得ません。そのため、一般のシートフローリングはあまり土足環境向けではないといえます。シートフローリングを土足で使う場合は、土足用のものを選びましょう。表面に施されたシートがより丈夫なものを使っているため長持ちします。選ぶ際は機能性を確認しましょう。
土足環境でフローリング材を使う際の注意点やアイデア
フローリングの上に土足で上がると汚れや傷が付きやすくなります。そのため、次のような対策を施しましょう。
・定期的にワックスをかけて床材を守る
・雨の日などはマットを置いて靴の汚れや水分を落としてから入室する
・なるべく硬い素材(オーク・ナラ・バーチ)のフローリングを選ぶ
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また、シートフローリング以外は、土足用(重歩行用)加工をすることで、より土足環境に向いたフローリングにできます。
・土足用(重歩行用)加工でリスク軽減
土足用(重歩行用)加工とは、土足使用に耐えられるように、フローリングの表面に特殊コーティングを施す加工です。店舗や施設など、靴のまま利用する場所に使うフローリングは、土足用(重歩行用)加工がされていることが多いです。土足用加工をしておけば、木材そのものに傷が付きにくくなるだけでなく、靴のゴム跡から床材を守り、水分や汚れがフローリング材に付着するのを防ぎます。土足用加工がしてあるフローリングは、比較的掃除が簡単です。水拭きでほとんど汚れが落ち、ひどい汚れが付いた場合でも中性洗剤でほとんど汚れを取ることが可能です。
土足用加工は、木材の表面をコーティングするため、木材の調湿性能を阻害してしまいます。また、木材の質感を多少損ねてしまうだけでなく、経年変化を遅らせてしまいます。そのため、無垢フローリングや挽き板フローリングのように、調湿性能や経年変化が魅力の床材を使っている場合は、加工によるデメリットが大きいといえるでしょう。無垢フローリングや挽き板フローリングは、多少の傷や汚れであれば削り落とせます。しかし、土足用加工をしてしまうと、コーティングが剥がれるため、傷や汚れを削り落とせません。加工したことで、より丁寧な取り扱いが求められるようになります。
土足OK!新しいフローリング材
無垢材のみでフローリングを作りたいといった、強いこだわりがなければ、新しい素材の導入を検討してみるのもおすすめです。近ごろでは丈夫でメンテンナンスが楽な「クロノテックス(KRONOTEX)」のような新しいタイプの床材も登場しています。クロノテックスであれば土足で使っても問題ありません。
「クロノテックス(KRONOTEX)」とは?
クロノテックスとは複層フローリングの1種です。高級感と丈夫さから店舗や商業施設での利用数が増えているフローリング材です。耐衝撃・耐熱性・耐キャスター性能に優れており、特殊な加工をせずともそのまま土足で使えます。
クロノテックスは4層構造になっていて耐久性に優れています。基材には高密度繊維板(HDF)が用いられています。これは木質繊維を原料とする成型材です。カラーボックスなどでよく使われる中密度繊維板(MDF)とよく似ています。ただし、HDFはMDFに比べて圧倒的にその密度が高く、非常に丈夫で頑強な素材です。基材の上にはメラミン樹脂含浸紙による装飾層があります。本物の質感に近い木目を再現しています。最上面はラミネートフロアの保護層。高い耐摩耗性能を持つ保護フィルムによってフローリング材を保護しています。なお、最下層部は防湿シートが貼られているため、湿度による反りや狂いの心配もありません。