無垢材フローリングを研磨で再生する方法
「床の傷や汚れが目立ってきたけど、張り替えるほどでもない…」「無垢材の良さを活かしながらキレイにできないかな?」
そんなお悩みを持つ方におすすめなのが研磨による再生という選択肢です。
無垢材フローリングは、しっかりと研磨を行えば新品同様の美しさを取り戻すことができます。ただし、知識なしに研磨を行うと逆に傷んでしまうことも。
この記事では、無垢材フローリングを研磨によって再生するために必要な知識・注意点・方法を、初めての方にもわかりやすく解説していきます。
「DIYでもできるの?」「業者に頼むといくら?」そんな疑問にもお答えしますので、最後までじっくり読んでみてくださいね!

<この記事のポイント>
✔️無垢材フローリングは研磨で何度でも再生できるが、限界もある
✔️DIY研磨は失敗リスクあり。業者との違いを理解するのが大切
✔️研磨後の塗装やメンテナンス方法が見た目と耐久性を左右する
初稿:2025/4/17
<目次>
・無垢材フローリングは研磨で再生できる?
・無垢材フローリングの研磨は何回まで?
・チェックすべき!研磨前の5つのポイント
・選び方で差が出る研磨後の塗装の違い
・無垢材フローリングの再生は正しい知識で
無垢材フローリングは研磨で再生できる?
無垢材フローリングを研磨するとは、木材の表面を薄く削ることで、傷や汚れ、カビなど、古い塗膜を取り除き、美しい状態に戻す作業です。まるで「肌の角質ケア」のように、使い込んだ木の表面をリフレッシュすることで、本来の木目や質感がよみがえります。
適切な研磨を施せば、見た目だけでなく、肌触りや清潔感もアップし、住まい全体の印象がグッと良くなるのが魅力です。

そもそも無垢材フローリングとは?
無垢材フローリングとは、1枚の天然木をそのまま切り出して作られたフローリング材のことです。合板を使わず、素材がすべて「木」だけでできているため、木そのものの質感や香り、調湿性に優れています。
「足ざわりがやさしい」「経年変化を楽しめる」といった特徴から、ナチュラル志向の住宅やリノベーション物件でも人気があります。

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こうした経年の変化を“味”として楽しむ人もいれば、「そろそろキレイにしたい」と感じる人もいるかもしれません。そこで登場するのが「研磨」という再生方法なんです。

なぜ無垢材フローリングは研磨で再生できるのか
無垢材が研磨によって再生できる最大の理由は、「木そのものが厚みを持っているから」と言われています。表面がわずかに削れても中身は同じ木なので、新しい面が出てきてまるで新品のような見た目に戻すことが可能です。

たとえば、表面に細かな傷や子どもの落書き、家具を引きずった跡などがあっても、サンダーという専用の研磨機を使って数ミリ削れば、すっかり目立たなくなります。
さらに古い塗膜やワックスも一緒に取り除かれるため、その後に好みの塗装を施すことで、ナチュラルな質感にも、光沢感のある床にも変化させることができます。
この「何度でも削って再生できる」という点が、無垢材の大きな魅力。もちろん回数には限度がありますが、しっかりした厚みのある無垢材なら2〜3回の研磨でも全く問題ありません。

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無垢材フローリングの研磨は何回まで?
「無垢材は何度でも研磨できる」とよく言われますが、実は限界があります。研磨で木材表面を削るたびに厚みが減るため、回数には物理的な制限があるのです。
とはいえ、十分な厚みがあれば2〜3回は再生可能。素材や施工状況によって適正回数も変わるため、まずはフローリングの「厚み」をチェックするのがポイントです。

木材の厚みと限界回数の目安
無垢材フローリングの研磨可能回数は、「木の厚み」によって大きく左右されます。たとえば18mm厚の床材なら、削り代として使えるのは最大でも3〜4mm程度。
1回の研磨で削る厚さは0.3〜1.0mm前後なので、通常2〜3回は可能とされています。以下に、一般的な厚みと研磨回数の目安をまとめました。
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削りすぎると、フローリングの表面が波打ったり、板が反り返ったりといった問題も起こります。見た目はキレイでも強度が落ちてしまうリスクがあるため、必要以上に研磨しないことが大切です。

複数回研磨した床の見極め方
すでに一度以上研磨している床を再度削る場合、どれだけ厚みが残っているかの判断が重要です。しかし、見た目だけでは正確に判断するのはなかなか難しいのが現実…。そこでチェックしたいのが、「巾木(はばき)との境目」や「目地の深さ」です。
巾木のラインと床の段差が大きければ、過去に研磨されている可能性が高く、何回削られているかの目安になります。また、板と板の目地が異常に深くなっていたり、段差がある場合も、削りすぎた証拠かもしれません。
とはいえ、一般の方がパッと見で判断するのは難しいため、不安がある場合は一度プロに相談するのがベスト。「あと何回研磨できるのか?」を確認することで、今後のメンテナンス計画も立てやすくなりますよ。

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チェックすべき!研磨前の5つのポイント
無垢材フローリングの研磨は、ただ削るだけでは成功しません。研磨に適している状態かを見極めてから作業に入ることが、仕上がりと安全性を大きく左右します。
「削ってみたら下地が出た」「塗装が全然落ちない」といったトラブルを避けるためにも、事前チェックは必須です。
以下の5つのポイントを確認しておきましょう
- 塗装の種類と状態を把握する
- 床の反り・歪み・沈みがないか
- サンダーで削れる木材かどうか
- 下地に問題がないかを確認する
- 換気や作業環境の確保

1. 塗装の種類と状態を把握する
まずチェックすべきは、今どんな塗装がされているかということ。無垢材フローリングの塗装には、大きく分けて「ウレタン塗装」と「自然塗料(オイル系)」があります。
ウレタン塗装は強固な膜をつくって木を保護していますが、その分サンダーで削るのが大変。しかも古くなった塗膜は硬くなっているため、1回の研磨で完全に落としきれないこともあります。
一方、自然塗料は表面に膜を張らないタイプが多く、研磨で比較的簡単に落とせます。その分、経年による色ムラや汚れが木に浸透しているため、仕上がりに差が出ることも。
「どんな塗装がされているか」を把握すれば、必要な削り量や仕上げ塗装の選び方も変わってくるので、作業前に必ず確認しましょう。

2. 床の反り・歪み・沈みがないか
「なんか床がボコボコしてるな…」そんなときは、研磨前に構造的な問題がないかを確認しましょう。
無垢材は湿気や乾燥によって膨張・収縮しやすく、反りや浮きが起こることがあります。
表面に大きな波打ちや段差がある場合、サンダーだけではキレイに削れません。無理に研磨すると、機械がうまく当たらず仕上がりがムラになるだけでなく、床そのものを傷めてしまうリスクも。
また、足で踏んだときに「グッ」と沈むような感覚がある場合は、下地材が劣化している可能性も考えられます。この場合は、床材ではなく構造部分の補修が必要になることも。
見た目だけでなく、足裏の感覚や水平器なども使って、床の状態をしっかり見極めてください。

3. サンダーで削れる木材かどうか
木材の種類によっては、サンダーでの研磨が難しいものもあります。たとえば非常に硬い樹種(ナラ・オークなど)は、一般的なサンダーだと時間がかかったり、仕上がりにムラが出ることも。
逆に柔らかすぎる木(スギ・パインなど)は、削れすぎてしまうこともあるので、細心の注意が必要です。
また最近では、表面に特殊な加工(UVセラミックコーティングなど)が施された床材もあります。このタイプは通常の研磨では塗膜がはがれず、業者でも専用機材が必要になるケースもあります。
DIYを考えている場合、自宅の床材が何の木で、どんな加工がされているかを把握しておくことは非常に大切です。

4. 下地に問題がないかを確認する
「床を削ってみたら、下から異音が…」実はこれ、研磨前に下地の劣化や不具合を見逃していたパターンです。
フローリングの下には、合板や根太(木の支え)が組まれていて、ここがしっかりしていないと研磨しても長持ちしません。特に築年数が経っている家や、床鳴り・沈みが気になる場合は要注意です。
また、水漏れや湿気で下地が腐っていると、せっかく床をキレイにしても数年で浮きや歪みが再発することも…。本格的に研磨する前に、部分的に床材をめくって状態をチェックするのが理想です。不安な場合は、床下点検もできる業者に一度見てもらうと安心です。

5. 換気や作業環境の確保
「やってみたけど粉塵がすごくて大変だった…」研磨は想像以上にホコリとニオイが発生します。特にウレタン塗装を削るときは、有害な揮発成分も出るため、換気対策は必須です。
また、作業中は機械音も大きいため、周囲に住んでいる家族や近隣への配慮も必要です。季節や天候にもよりますが、窓を開けて作業できる春〜秋がおすすめ。
マスク・ゴーグル・養生シートなど、身の回りの対策も万全にしておきましょう。特に小さなお子さんやペットがいるご家庭では、施工中の居住エリア分けを考えることも大切です。

選び方で差が出る研磨後の塗装の違い
研磨によって無垢材フローリングが生まれ変わったら、次に考えるべきは「どんな塗装をするか」です。塗装は単なる見た目の仕上げではなく、木の保護・耐久性・メンテナンス性に大きな影響を与えます。
大きく分けて、仕上げ塗装には「自然塗料(オイル系)」と「ウレタン塗装」の2種類があります。それぞれにメリット・デメリットがあるため、ライフスタイルや好みに合わせて選ぶことが大切です。

自然塗料(オイル) vs ウレタン塗装
自然塗料とウレタン塗装は、どちらも無垢材に使える定番の塗装方法ですが、性質はまったく異なります。以下に違いを比較した表をまとめました。
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オイル塗装は“木が呼吸する”自然な仕上がりを求める方に人気ですが、こまめなお手入れが必要です。逆にウレタン塗装はメンテフリーに近く、小さなお子さんやペットがいるご家庭にも向いています。

塗装後のメンテナンスのコツ
塗装の種類に関係なく、研磨後の床を長持ちさせるためのメンテナンスはとても重要です。以下のポイントを意識することで、キレイな状態を長く保つことができます。
- 掃除は“乾拭き”が基本
→ 水拭きは最小限にして、ホコリや砂をこまめに除去する
- 家具の脚にはフェルトを貼る
→ 引きずりキズや凹み防止に効果的
- 定期的なワックス・オイルの再塗装
→ オイル塗装は半年~1年おきに重ね塗りが推奨
- 直射日光や過乾燥を避ける
→ 木のひび割れや反りを防ぐために、カーテンや加湿器の活用を
- 濡れたらすぐに拭くクセをつける
→ 水分が染み込む前の“早期対応”がポイント

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無垢材フローリングの再生は正しい知識で
無垢材フローリングの研磨は、単なるメンテナンスではなく「木の美しさを再び引き出す再生作業」です。長年使い込まれてできたキズや汚れ、色ムラも、研磨を通してまるで新品のように蘇らせることができます。

そして、研磨後の塗装によって床の雰囲気や耐久性も大きく変わります。オイル塗装で木の温もりを活かすのか、ウレタン塗装で実用性を高めるのか。ライフスタイルに合わせた選択をすることで、快適な住まいが手に入ります。
この記事を通じて、無垢材フローリングを研磨で再生することの価値と、その正しい進め方を知っていただけたなら幸いです。
大切な住まいの床だからこそ、納得のいく方法で、長く愛せる空間にしていきましょう。
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コラム監修者からのメッセージ

鈴木 翔吾
・二級建築士・プレカットCAD技術者1級・第二種電気工事士・CLT大臣認定管理技術者
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