一軒家 外壁の施工事例|サーモウッド(塗装品)
住まいの外観デザインにおいて、外壁材の選択は建物の印象を大きく方向付けます。今回の施工事例では、平屋の一軒家の外壁材として「サーモウッド」を採用いただきました。※現在は廃盤品となります。
建物の裏面には、グレーに塗装された幅132mm、厚み19mmのサーモウッドを使用しています。こちら側にはウッドデッキが設けられており、グレーの外壁が落ち着いた背景として機能しています。
一方、建物の顔となる玄関周りには無塗装のサーモウッドを施工しています。黒色の玄関扉と、無塗装ならではの自然な木材の色合いが対比を生み出し、引き締まった印象のエントランスに仕上がっています。塗装の有無を場所によって使い分けることで、建物全体に豊かな表情を持たせた外観デザインとなっています。
サーモウッドの特徴と商品の仕様
サーモウッドは、木材に対して化学薬品を使用せず、熱と水蒸気のみを用いた高熱乾燥処理を施した建材です。フィンランドで生まれたこの技術により、木材内部の水分や養分が減少し、屋外の環境下でも反りや狂いが起こりにくい高い寸法安定性を実現しています。
今回採用いただいた商品は、幅132mm、厚み19mmという規格です。132mmの幅は外壁に張った際に木目の表情をしっかりと見せることができ、建物の外観に整ったリズムをもたらします。また、19mmの厚みは外壁材として必要な強度を備えています。
熱処理の過程で木材の芯まで褐色に変化するため、無塗装の状態でも深みのある自然な色合いを楽しめるのが、サーモウッドが持つ素材としての特徴です。
外観デザインとの調和と使い分けの工夫
本事例の大きな特徴は、建物の部位に合わせてサーモウッドの仕上げを変更している点です。ウッドデッキが隣接する建物裏面には、グレーに塗装されたサーモウッドを使用しています。グレーの壁面は主張が強すぎず、ウッドデッキや周囲の自然環境と穏やかに調和し、リラックスできる外部空間を作り出しています。
対して玄関周りは、無塗装のサーモウッドと黒色の玄関扉を組み合わせています。熱処理による深い褐色の木肌と、無機質な黒色が隣り合うことで、互いの素材感が際立ち、洗練されたモダンな印象を与えます。
機能面においても、サーモウッドの高い寸法安定性は、雨風にさらされる外壁での使用に適しており、整った外観の形状を維持しやすいという実用的なメリットがあります。
屋外でのメンテナンスと経年変化の味わい
屋外で使用される木材は、紫外線や風雨の影響を受けながら少しずつ変化していきます。グレーに塗装された建物裏面のサーモウッドは、塗膜によって木材の表面が保護されています。この塗装を定期的に塗り直していただくことで、木材の劣化を防ぎ、美しい色合いを長く維持することができます。日常的なお手入れは、柔らかいブラシでほこりを落としたり、ホースの水で軽く洗い流す程度で十分です。
一方、玄関周りの無塗装のサーモウッドは、年月を経るにつれて紫外線などの影響により、徐々にシルバーグレーへと色合いが変化していく特性があります。この経年変化は、木材が周囲の環境に馴染んでいく自然な過程であり、建物に落ち着いた風合いをもたらしてくれます。当初の色合いを保ちたい場合は、木材用の屋外保護塗料などを塗布していただくことも可能です。
平屋一軒家の外壁にサーモウッドを採用いただいた施工事例をご紹介いたしました。
同じ132mm幅のサーモウッドでありながら、グレーの塗装品と無塗装品を適材適所で使い分けることで、ウッドデッキのある裏面とエントランスで異なる趣を演出しています。化学薬品を使わない環境への配慮と、屋外での使用に適した寸法安定性を兼ね備えたサーモウッドは、建物の外装を彩る素材としてしっかりと機能します。
外壁に木材を取り入れ、場所に応じた仕上げの工夫で外観をデザインする際の参考として、ぜひお役立てください。