新築一軒家施工事例|KRONOTEX MAMMUT D3081

新築一軒家施工事例|KRONOTEX MAMMUT D3081

新築一軒家の床材選びにおいて、空間の印象を決定づけるのは「色」だけではありません。板の「幅」が、その部屋のグレード感を大きく左右することをご存知でしょうか。

今回の施工事例では、ドイツ・KRONOTEX(クロノテックス)社の最上位モデル「MAMMUT(マムート)シリーズ D3081」をご採用いただきました。この製品の最大の特徴は、「188mm」という板幅の広さにあります。このワイドプランクをリビング全体に敷き詰めることで、視覚的なノイズが極端に少ない、海外の邸宅のような大らかで重厚感のある空間が完成しました。

KRONOTEX MAMMUT D3081の製品特徴

KRONOTEXは、世界80ヶ国以上で愛用されるドイツのラミネートフローリングメーカーです。「MAMMUT(マムート)」シリーズは、耐久性とデザイン性を最高レベルで融合させた製品です。ここでは、今回採用されたD3081の特長を、日本の住宅事情と照らし合わせながら解説します。

1. 「188mm幅」が生む高級感

日本の住宅で使用される一般的なフローリングの幅は、90mm(3寸)から120mm(4寸)程度が標準的です。これに対し、MAMMUTシリーズの幅は188mmと、標準的な床材の1.5倍から2倍近い広さを誇ります。

幅が広いことの大きなメリットは、床面に現れる「目地(継ぎ目)」の本数が大幅に減ることです。目地が少ない床は、視覚的な「ごちゃつき」が解消され、部屋全体をスッキリと広く見せる効果があります。また、歴史的に見ても、幅の広い一枚板は希少性が高く高価であったことから、幅広の床材には本能的に「豊かさ」や「ゆとり」を感じさせる心理的効果があります。

2. 12mm厚の高密度基材による重厚な歩行感

幅広の床材は、薄いと反りやすくなる傾向がありますが、D3081は厚さ12mmの高密度繊維板(HDF)を採用することでその問題を解決しています。一般的なラミネートフローリングや複合フローリングが厚さ8mm〜12mm程度である中、高密度で詰まった12mm厚の基材は、非常に高い剛性を持ちます。歩行時の沈み込みがなく、コツコツという低く落ち着いた歩行音は、確かな建材の良さを足裏から伝えてくれます。

3. 同調エンボス加工によるリアルな質感

幅広であることは、それだけ「木目の絵柄」を大きく見せられることを意味します。D3081は、表面の木目模様に合わせて凹凸をつける「Registered Emboss(同調エンボス加工)」が施されています。188mmという広いキャンバスの上で、オーク特有の力強い木目や節の表情が途切れることなく表現されており、プリントとは思えないほどのリアリティと立体感を空間にもたらします。

ラミネートフローリングの歴史と信頼性

ラミネートフローリングはヨーロッパで生まれ、進化を遂げてきた床材です。かつては安価な素材というイメージもありましたが、現在ではその技術が飛躍的に向上し、無垢材以上の機能性を持つ「高機能床材」として世界中で採用されています。

ドイツ製ならではの品質と環境基準

KRONOTEX社は、環境先進国ドイツの厳しい基準をクリアした製品作りを行っています。MAMMUTシリーズに使用される木材は、FSC認証などの適切な森林管理から得られたものを使用しており、サステナビリティ(持続可能性)への配慮も万全です。

また、基材となるHDFは、木材繊維を高温高圧で圧縮成形したもので、日本の気候変化(湿度の変化)に対しても寸法安定性が高いのが特徴です。幅広の無垢材ではリスクとなる「反り」や「隙間」の発生が少ないため、安心してワイドプランクの美しさを享受できる点も、技術力の高いドイツ製ならではの魅力です。

施工後の印象とデザインの魅力

オークの木目をダイナミックに楽しむ

今回使用したD3081は、上品なベージュオークの色合いです。188mmのワイド幅により、オーク材特有の美しい木目(グレイン)や、虎斑(とらふ)のような繊細な模様がカットされることなく、ダイナミックに表現されています。細いフローリングではどうしても木目が細切れになってしまいますが、この床材なら、木そのものが持つ雄大な表情を存分に味わうことができます。

インテリアスタイルとの調和

ワイドプランクの床は、家具を引き立てる舞台として最適です。

  • モダン・ラグジュアリー: 目地が少ないフラットな床面は、イタリアンモダンなレザーソファや、ガラス素材のテーブルなど、直線を基調とした家具と美しく調和します。
  • 北欧・ナチュラル: 明るいベージュの色味は、北欧の名作家具や観葉植物のグリーンとも相性が抜群です。幅広の床がゆったりとした時間の流れを演出し、リラックスできる空間を作ります。
  • 広がりを感じる空間演出: 特にLDKのような広い空間では、幅広の効果が顕著です。視線が遮られることなく床が広がっていくため、実面積以上の開放感を感じることができます。

メンテナンスと長期的なメリット

KRONOTEX MAMMUTシリーズが採用される背景には、デザインの美しさだけでなく、「生活のしやすさ」という実用面での高いスペックがあります。

傷や摩耗に強い「AC5等級」

この製品は、耐摩耗性区分において最高ランクの「AC5(土足・重歩行対応)」を取得しています。これは百貨店やオフィスなど、土足で多くの人が歩く過酷な環境にも耐えられるレベルです。住宅内であれば、キャスター付きのワークチェアを使用したり、お子様がおもちゃを引きずったりしても、傷がつく心配はほとんどありません。

メンテナンスフリーで続く美しさ

無垢材のフローリングは、定期的なオイル塗装やワックス掛けが必要ですが、MAMMUTシリーズはその必要が一切ありません。表面は硬質なコーティングで守られているため、汚れが染み込まず、普段のお手入れは掃除機と水拭きだけで完了します。コーヒーやワインをこぼしても、サッと拭き取るだけで跡形も残りません。

日焼けに強く、資産価値を保つ

窓際の日光による「日焼け(変色)」に強いのも大きな特長です。家具を動かしたときに、そこだけ床の色が違うという現象が起きにくいため、模様替えも気兼ねなく楽しめます。施工時の美しい色合いと質感が長期間維持されることは、住宅の資産価値を守る上でも大きなメリットとなります。

まとめ

今回の新築一軒家における施工事例では、KRONOTEX MAMMUT D3081を採用することで、日本の標準的な住宅とは一線を画す、広がりと気品のある空間が完成しました。

90〜120mm幅が主流の日本において、「188mmのワイドプランク」という選択は、それだけで空間のグレードを一段引き上げる力を持っています。美しい木目をダイナミックに楽しみつつ、傷や汚れを気にせず快適に暮らせる機能性。高いデザイン性と日々の暮らしやすさを両立できるこの床材は、本物志向の住まいづくりにおいて、極めて有力な選択肢となるでしょう。

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